12時の幽霊

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ベルサイユ宮殿の図書室に一人の男が居た。 身長は約180cmくらいで黒くて短く整った髪、とても優しい顔をしており、静かに難しそうな政治に関する本を読んでいた。 そこへ、つまらなさそうな顔をしたもう一人の男が近づいてきた。 『なぁジャン……そんな本読んで楽しいか?』 彼もジャンと呼ばれた男と変わらないぐらい背が高く、ブロンドの髪を肩まで伸ばしている。 顔はとても整っており、女の人ならほっておけないくらいの美形だ。 『ミッシェル…お前ももう少し政治を勉強した方がいい。今このフランスがどうなっているのかさえお前は知らないだろう?』 『はっ、俺様は政治の勉強なんかしなくてもこの美貌さえあればいいのさ。』 ミッシェルと言う男は専用の手鏡を取り出して自分の美しさに見惚れながら言った。
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