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『おいリュカ…いつからここにいたんだよ……』
まだ治まらない動悸を整えながらミッシェルが聞いてきた。
『ジャン様の居るところに必ず私は居ます、何て言ったって私はジャン様の警護兵ですからね。』
リュカは鼻高々に言った。
彼はフランドル家生まれで、フランドル家とは警護や警備兵の家柄である。
フランドル兵は代々ノルマンディー家の警護を勤めており、リュカももちろんノルマンディー家の跡取り息子、ジャンを警護するのが役目だった。
実はリュカもこの二人とは幼馴染みである。
『…ストーカーかよ……』
ミッシェルがボソッと声を漏らすと…。
『今、何か言いましたか……』
リュカがものすごい勢いでミッシェルを睨み付けた。
『いや…別に……』
こうなったリュカに勝てるものは居ない…それをわかっているミッシェルはあえてその場は引いた。
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