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二人が言い合いをしている間にジャンはホールの真ん中に辿り着いた。
天井の真ん中は丸いステンドグラスがはめられており、かろうじて光が入ってくる。
すると、12時を知らせる鐘の音がベルサイユ宮殿に響いた。
『いけない…二人とも早く隠れて!』
リュカは言い合いをやめてミッシェルの手を引っ張り、ホールの真ん中に立つジャンを手招きした。
三人は二階席から繋がる階段の裏に隠れた。
『いいですか、幽霊って言うのは静かにしてないと現れないんです。ここで現れるのを待ちましょう。』
リュカに言われて二人は頷き、階段の影からホールを見つめた。
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