12時の幽霊

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女はゆっくりと歩きながらホールの真ん中に立った。 その姿はとても美しく、三人は目が離せなくなった……。 すると幽霊女は、その場で三人が今まで見たことの無いダンスを音も無いのに始めた。 だがその女の踊る姿を見ていると何故か聞こえないはずの音楽が聞こえてくるようだった。 今まで社交ダンスしか見たことの無い三人にとって初めて見るダンスだったが、その踊りの素晴らしさだけは伝わってきた。 女はとても軽やかな動きで踊り、まるで蝶が飛んでいるかのようだった…。 三人が目を離さず女を見ていると、女はダンスのラストを迎えたのかポーズを決め、誰もいないホールに手を振っていた。
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