12時の幽霊

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三人は思わず拍手をしそうになった…しかし気付かれるのが怖くてその思いを押し込めた。 女は満足したのか、脱ぎ捨てた靴とドレスを持ってホールを後にした。 三人ともあまりの美しさに胸のドキドキが止まらなかった…。 女が居なくなってもあの光景が目に焼き付いて離れない…。 暫く皆黙ったままだったが、リュカが最初に口を開いた。 『なんだか…幽霊を見たって感覚がないですね…』 『それより、あの女幽霊何者なんだ?あんなダンス初めて見た…』 幽霊について話し合う二人を他所に、ジャンはまだホールを見つめていた。 『なぁジャン…なんで黙ってんだよ…』 『私の言った通り幽霊は存在したでしょう?』 二人が話し掛けると、ジャンはホールを見つめたまま口を開いた。
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