決意

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帰った途端にマダムシャルにお小言を食らったナタリーは、マリアと共に部屋に戻ろうと廊下を歩いていた。 『何よ…ちょっと遅くなっただけなのに……』 ナタリーは顔をぷーっと膨らませている。 その隣で苦笑いしながらマリアがナタリーをみて言った。 『そうですね。でも、お嬢様が下着姿で戻っていらっしゃったから余計に怒られたんでは……。私が早くお嬢様にドレスを着て頂くよう言っていれば……。』 だんだんと俯きながら話すマリアを見て、ナタリーはマリアの顔に自分の顔を近づけた。 『マリア、いつも自分のせいにするのはいけない癖だよ。私は自分の意思でそのまま帰ったんだし、汗かいてるからドレス着たくなかったもの。それより、私のこと気にして毛布まで持ってきてくれてありがとう。』 最後まで言い終わるとナタリーはぎゅっとマリアを抱き締めた。 『お、お嬢様!こんなところでダメです…。』 マリアは恥ずかしそうに抵抗すると、残念そうにナタリーはマリアから離れた。 『そうだね、見つかったら怒られるのマリアだもんね…。じゃあ早く部屋に戻りましょう。』 そう言いながらナタリーはマリアの手を引いて自室へと走っていった。
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