引っ越し、転校?

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引っ越し、転校?

 ある日のこと。 おやつ食べてた風間きょうだいはおかあさんから今度春に引っ越すと聞かされてびっくりした。 あやうくソーダをひっくり反すとこだった。 弟はまだ溶けてない粉をくるくるとストローで混ぜてばかりいた。 「どこに?」 「関西のほう。おとうさんの会社が大阪の方にもあるでしょ。だからその辺になると思う。」 大阪?なんか大都会だな、大丈夫なのかな。 もともと東京から新潟に引っ越してきたけど 両親は新潟出身、転勤先でつぎつぎと子供を産み育てやっと新潟に帰ってきたというのにまた引っ越しか。三人兄弟+ばあちゃんで六人家族だ。 後年母が心底恨んだ通算14回の引っ越し。 もちろん私も転校がうれしかったことなんか一度もないけど、 大阪ということで少し浮き足だっていた。 雪深いどいなかから引っ越してきた私たち家族を大阪の人はどう思うだろう? こりゃぁ えらいこっちゃ! ばかにされないためにどうすればいいんだろう。  勉強はまあいい方だったけどあまり裕福じゃなかった、いや はっきりいって貧乏だった我が家に降って湧いた災難それが引っ越しだった。引越す度いろんな荷物を捨てながら新しい生活に馴染む努力をしてきた。なまじ父が有能だったばかりにあちこちいかされて。 支店長として雇われたからには本社が行けといえば地球の裏までも行かねばならない。 サラリーマンにだけはなるまい、とおさな心に誓った。 兄はちょうど高校受験と重なり、話はますます困難を極めた。 母はパニック寸前で私たちを育てていたんだと思う。そんなこと知らなかった私たち。本当に今までありがとうおかあさん しかし この転校はマミヤンにとって幸運な出来事になるのだ。 あらゆることがいい方向へと動いていった。 明日という日は明るい日と書くのよ。 そんな使い古されたせりふさえなんだか心地よかった。
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