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トンネルを抜けると
いつのまにか眠っていたらしい。
ごとん ごとん
規則正しい振動が あたりを支配していた。
真面目なロボットが工場で働く夢のなかと同じ音だ。
私の操縦していた小型ジェット機はどうなってるんだ?
マミヤンはゆっくり瞼を開けてコックピット、いや、コンパートメントを見渡した。
・・・・夢だったのかぁ。
ま そうだろな~。なんだよジェット機って。
母の寝息とあきひろの静まり返った様子でまだ朝じゃないことを確かめた。
小鳥たちはわら製の壺巣に仲良くこもっていた。 やはり疲れてたのだろう。よく寝てる。
あきひろが騒がないうちに何かしておくことはないだろうか?
今どのへんなんだろう。
マミヤンはゆっくりベッドから降りて靴をつっかけて通路に出た。
車窓から開けた景色が見えた。
海。月がキラキラ照り返す海
でも波がなかった。変な海だと思った。浜が狭すぎる。新潟の海と違うのかな?
その時通路に誰か来た。
車掌さんだった。
ア、やばい?と一瞬焦ったけど、お父さんくらいの年格好のその人はにこっとほほえんで、こういった。
「ここがわかりますか?」
わからない、と首を振ると
「滋賀県です。あれは琵琶湖ですよ」と教えてくれた。え、琵琶湖?日本一の湖の琵琶湖!
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