第一章「現実の厳しさ」

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そういって俺はあの人らしき人を探しまわった。   条件に合う人は何人か見つかったが全てハズレだった。   「くっそ~、今日もダメかぁ。やっぱそんな簡単にはいかないか。」   あと時々息子を探しているという人が児童保育施設を頼りにやって来る。   俺はそれを教えてもらいあの人なのかどうか確認するために会って確かめている。   「ごめんなさい。あなたの探している息子は僕ではないです。」   そういうとガッカリして帰っていく。   そういう人を見るのが最近は辛くなってきた。   しかしあの人を見つけるために仕方なくやっている。  いつになったら見つかるのかわからない真っ暗なこの先。   ホントにこのままで人生終わってもいいのか、探すのをやめて楽しく過ごさなくていいのかと思う日も少なくはない。
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