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僕は最近何かに取り憑かれているのだろうか…
幻覚?…それとも現実?
「そいつ」はウザッたい程に僕に話かけてくるんだ。その声は日をおう事にハッキリと僕の脳裏に響く様になってきた…。
「おぃ…聞こえてるんだろ?」
また、僕に話しかけてきやがった…。でも、不思議と「そいつ」の存在を受け入れる事が出来た。
「お前はいつも一人ぼっちだなぁ」
その言葉に僕は初めて「そいつ」に口を開いた…
「解った様な口きくなよ…そもそも、お前は誰だよ」
その問に「そいつ」は軽く鼻で笑い言った…
「誰だっていいだろ…お前は面白い人間だからな…」
面白い人間?僕が…?
「僕は面白くもなんともないぜ…今まで淡々と生きてきたんだ…」
僕は人付き合いが苦手…と言うよりも嫌いだった。出来る限り人と接するのを避けてきたんだ。とは言えそれなりの付き合いはしてきたかな…。でも、「そいつ」は僕が初めて、心をゆるして話ができる存在なのかもしれない…。
「お前は俺から見たら十分面白い奴だ。」
「どこがだよ」…と口に出そうとしたら「そいつ」が理由を喋り始めた。
「お前は頭も相当いいし、運動だってちょっとやそっとじゃ負けはしないだろ?…それなのに、なんで何時も平均程度の順位にいるんだ?」
その質問の答えは、只ひとつ…目立ちたくないからだ。僕はその他大勢で十分だからな…。それを「そいつ」に伝えると…
「もったいない奴だ…今頃トップスターにでもなれただろうに」
少し笑った様な感じで言った。
僕には「そいつ」の姿が見えない…ただ声だけが聞こえる…不思議な事だか僕はこれを不思議だと感じなかった…。
「そいつ」はなぜ僕に近付いてきたのだろう…。気付けば夜が明ける時間になっていた…。長い時間たった様だが「そいつ」と話す時間は流れが速い気がした。
…どうやら僕は眠りについていたようだ…
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