隠し事

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シンはまた嘘をついた。 しかし、エルについた嘘のようにその嘘は相手を傷つけないための嘘だった。 我が心の中で納得していると、ピエロはある部屋の前で立ち止まった。 「‥‥正直言って、あまり見られたくはありません。 フラム様はご自分の意志でこの部屋の中で戦ってございます。 多少、気持ちを引き締めておいてくださいまし‥‥」 そうピエロは言うと我らを順に眺めた。 だが、我らの意志は変わってはいない。 断固たる決意を我らの表情に見たのか、ピエロは頷き、部屋の扉にゆっくりと触れた。 扉はゆっくりと開かれた。
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