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10回目の授業
就活のため授業に間に合いそうもない。
予定より大分長引いたからだ。
よりによってレポート提出の日。
授業が始まる前に携帯から先生のPCにその旨メールを送った。
授業中には間に合わず、教室に着いたのはちょうど終わったころだった。
「あ…先生」
先生と数人の学生が残っていた。
「おっ吾妻。今就活帰りか?
ちょうど良かった、研究室まで運ぶの手伝ってくれないか」
私が入って来るのを見つけると笑顔でそう言った。
「…他にも生徒いましたけど?」
歩きながら聞いた。
「うーん、吾妻は年齢が近いからな。何か親近感わくんだよな。」
「私は先生の保護者の気分で授業見守ってますよ」
「あはは、毎週授業参観みたいだな」
私も先生とはすごく話しやすい。普通の先生ならこんな冗談は言えない。コレは年齢が近いためなのか、と私も納得してしまった。
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