第二章

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「じゃあ私、ひぃちゃんと帰る約束してるから。バイバ~イ」 倉田は小走りで行ってしまった。何と言うか、後ろ姿すら可愛いと思えるから怖い。 「ほっほーアレがお前の想い人かぁ~」 心臓が口から出そうになった。ニヤニヤ笑いがやけに板につくそいつは蓬だった。 「お前にしちゃ随分地味な子だねぇ」 「想い人とかじゃねーし!」 「隠すなよ、顔真っ赤だぜ」 昔からコイツは勘がイイというか、隠し事が出来ない。俺は観念して白状した。 「…まぁその、そういう事になんのか、な?」 そうだ、認めろ自分。俺は倉田が好きなんだ。
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