第一章

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俺は倉田の絵のファンになり、美術部に顔を出すようになった。 「今度はひまわり?」 「夏だからね」 そういうモノなんだろうか… 「中沢君も描けばいいのに」 「いや、マジ下手くそだから無理!」 こんなうまい奴に俺の絵は見せられん。 「ふーん。まぁ無理にとは言わないけど」 話しながら着々と絵を描く準備を整える。 「………」 (すげぇ集中力…) 倉田は絵を描き始めるともの凄い集中力を発揮する。音や空気すら彼女に干渉出来ない。俺はただただ倉田が絵を描く工程を見てる。 (不思議とつまらなくないんだよなー…) 段々と絵が出来上がって行くのを見るのは楽しかった。それが倉田の絵というのなら尚更だ。
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