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「桃ー!!」
「あ、ひぃちゃん」
勢いよく美術部に入って来たのは長身の黒髪美少女だった。美少女はつかつかと倉田の方に歩み寄った。
「やっとここに来れた、会いたかったよ桃」
「毎朝会ってるじゃなーい」
「もう3時間は会ってないよ。充電させてくれ」
そう言って俺の目の前で黒髪美少女は倉田を抱きしめた。衝撃の光景だった。
しかしこの黒髪美少女はなかなかお目にかかれないレベルだ。倉田と友達だなんてちょっと信じられない。随分仲良しのようだが…
「ん?…誰?」
あ、あれ。倉田と態度が全然違うというか…むしろ敵意を向けられてる気がするんですが。
「んーとね、美術部の中沢君。最近よく来るの。絵は描かないんだけど」
「じゃあ何しに来てんだ?」
「あ、俺倉田の絵のファンで…」
その瞬間、美少女の敵意が薄れた。
「桃は天才だからな、わかるぞ。こないだの絵も素晴らしかった」
「褒め過ぎだよー」
「そんな事はない、桃、もっと自信を持ちなさいあんたは」
美少女は倉田の手を握り絡めた。女のスキンシップは激しいんだな…
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