届かぬ想いは‥

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三番隊隊長 市丸ギン 彼が居なくなり、数ヶ月の月日が流れようやく三番隊は落ち着を取り戻した。 だが、それもそのはず 三番隊副隊長 吉良イヅル 彼は居なくなった隊長の分まで忙しく働いた。 自分が副隊長である以上、他の隊員に苦労を掛けさせたくない。と言う思いから彼を働かせていた。 イヅルは夜中、仕事を全部済ませフラフラと歩いて部屋へと帰る。 何時もなら楽しい帰り道。ギンと一緒に近くまで帰るの道のりのはずが、今は一人クタクタのフラフラで帰るのがなんとも切ない。 月の明かりを便りに自分の部屋へと帰った。 何時もなら綺麗に整頓してある部屋は隊長が不在になってからは片付ける暇がなく、部屋は散らかっていた。 「ただいま…」 イヅルはそれを見て溜め息を落とすも疲れきっている為片付けよう、と言う気力もないに等しい。倒れるかのように敷きっぱなしの布団に横になる。 ギンが居なくなりその存在を忘れるかのように仕事に没頭し、ご飯は殆ど口にはしなくなりイヅルの躰は更にやせ細っていた。 「今日も、疲れた‥」 死覇装を脱ぐのさえダルく、躰はズッシリと重たく布団に沈んだ。
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