失望

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「…ついにこの日が来た……!」ブカブカで着心地の悪い学ランを着て紀之は今、何もかもが未知の世界である中学校に入ろうとしている。 今日は4月8日、菜崎南中の入学式の日である。 正門をくぐったすぐに何本もはえている桜の木が満開の桜をつけていた。最高の入学式だ。 「えーっとオレのクラスは………………………………あ、あった!D組かぁ」 紀之はクラスの紙が貼ってある掲示板を見て、そう言った。 「…あ、英輝もオレと一緒のクラスや。そういやアイツもここ受けたんやったな」 「あら、ホント。良かったわね紀之、英輝君と一緒で」 今日は入学式なので、舞も保護者として学校に来ている。 「良くないわ、アイツはすぐオレにちょっかい出して来るしな」 「そんなこと言わないの、いいじゃないクラスに一人でも知り合いいた方が心強くて」 「ん~まぁ、えぇか。んじゃオレ教室行くから。」 「いってらっしゃい、不安になると思うけどみんな同じ立場だから心配しないでね」 「あぁ、いってきます」 そう言うと、紀之は自分のクラスの教室へと向かっていった。
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