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「…大丈夫?」
可愛らしい声がした。声のした方を見ると、身長はやや小さく、肩と腰の中間あたりまで伸びてるストレートの黒髪で、目がくりっとした女子が立っていた。
「私も拾うの手伝うよ!」
「え?あぁ…ありがとう……。」
その女子も交えて3人で集め、全ての教科書を集め終わった。
「うん、これでよし!それにしても派手にこけたね~~、ケガとかしてない?」
「あ、うん大丈夫大丈夫。ははは……」
紀之はさっきこけたのがよっぽど恥ずかしかったのか、ちょっと顔が赤く苦笑いになっている。
「そんな気にすることないって!私もよくつまづくし。…君何て言うの?」
「あ、瀬口 紀之……です…。」
「瀬口君ね、私は水嶋 美穂(ミズシマ ミホ)! クラスはC組。瀬口君は?」
「オレ?…D組。」
「隣だね!これからよろしくね!あ、私ちょっと急ぐから!じゃあまたね、瀬口君!」
「え、急いでるのに何で拾うの手伝ってくれたん!?」
「困っている人なんてほっとけないよ!またねぇ!」
紀之は美穂が見えなくなるまで手をふった。
(水嶋さん、優しいなぁ~…)
ふと思った。
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