失望

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学校内マップでテニスコートの位置を確認し校舎から出ると、多くのクラブが部活勧誘をしていた。 「野球やりたい奴は来ぉ~い!」 「バトン部よってってぇ~~!」 「水泳部に来れば、筋肉ムッキムキ!」 「陸上で一緒に汗流そ~~~!」 「ブラバン楽しいよ~~!!」 四方八方から勧誘の声が聞こえてくる。菜崎南では校則で中学生は左腕に腕章をつけることになっている。 中1は赤色の腕章で尚更目立ってしまうので、ほぼ全員が勧誘されているだろう。 当然紀之も例外ではないので、校舎から出て間もなくいろんな部から勧誘された。 「すいません。もう決めてるんで」など言って適当にあしらいながら紀之は密集地帯を抜け出しテニスコートへ向かった。 (…そういや部活勧誘でテニス部がおらんかったなぁ。もう止めたんかな?…まぁいいや。) 紀之はテニスコートの前まで行くと、ワクワクし始めた。 (部活ってどんな感じなんやろう?全くわからへん。あぁヤバい、緊張する!) 練習に参加するわけでもないのに心臓がバクバク鳴り始めた。そしてさっそく外から様子を覗こうと思った矢先………
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