ゴミ

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走っていく途中で紀之は考える…… 確か、江島先輩はオレを認めてないって言ってた。 「俺はお前を認めてない」って何や?…なら今の段階で誰か1人でもオレを認めてる先輩が居るってことか? 何で江島先輩はオレを認めてない?まだ入部して日が浅いから?それとも雑用ん時の動きが他のみんなより遅いから? その両方かもしれへん。他にもまだ理由があるかもしれへん。 江島先輩に限らずオレを認めてない先輩達はいっぱいいると思う。 確かにオレはまだまだ未熟や。入部して日が浅いからまだわからないことはいっぱいあるし、動きは遅いし体力もない。それは納得できる。 なら、やってやる! 今の状況で先輩達に認められないんやったら、自分のあかん所を全部変えたらえぇんや!未熟な所をなくせばえぇんや! そうすれば先輩達はオレを認めるやろうし、さっきみたいなハプニングだって二度と起こらないはずや! どんなに辛いトレーニングだってえぇ!雑用でもえぇ!とにかく全部食らいついてやる! オレの精神力をなめんなよ? そう決意した紀之は一瞬だけだが、ニヤっと笑った。 「ほらぁ、早く着替えるで!」「悪いな、小山!待たせちゃって!」 直人の元に着いた紀之はそう謝り、2人は自分の荷物が置いてある場所に向かっていった。 何とか一難を切り抜けた紀之。しかし彼のテニス部生活はまだ始まったばかり。まだまだ紀之の困難は続く……!
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