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これがこの道場の歴史らしい…
それからも夢幻一刀流は先祖代々魔物を倒してきたそうだが、時代の流れと共に現世に実体化する魔物は姿を消した。
魔力の高い者には魔物は精神体として見えていたが…
その後魔物は
人間の魂に寄生・同化し…
人間の心の闇につけこんで悪夢を見せ…
心を狂わせ…
人間を破滅に追いやる存在へと姿を変えていった。
バクヤはその後も松本家の戦士と共に夢切丸として、魔物に寄生された人間を傷つけず、取り憑いた魔物のみを滅していった。
夢幻一刀流はこうして《活人剣》として代々人々を救ってきたらしい…
勝明はこの話をした後、柄だけの刀を重和に渡した。
「これは我が家に伝わる家宝だ。これからこれを肌身離さず持っているといい。きっとお前を守ってくれるハズだ。お守りとして持っていなさい!」
重和は半信半疑でこの言い伝えを聞いていたが、夢切丸を手にした瞬間に柔らかく暖かい不思議な気配を感じた…
重和はその感覚を信じ、夢切丸を大事に持ち歩いた。
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