第1夜・前編

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これがこの道場の歴史らしい… それからも夢幻一刀流は先祖代々魔物を倒してきたそうだが、時代の流れと共に現世に実体化する魔物は姿を消した。 魔力の高い者には魔物は精神体として見えていたが… その後魔物は 人間の魂に寄生・同化し… 人間の心の闇につけこんで悪夢を見せ… 心を狂わせ… 人間を破滅に追いやる存在へと姿を変えていった。 バクヤはその後も松本家の戦士と共に夢切丸として、魔物に寄生された人間を傷つけず、取り憑いた魔物のみを滅していった。 夢幻一刀流はこうして《活人剣》として代々人々を救ってきたらしい… 勝明はこの話をした後、柄だけの刀を重和に渡した。 「これは我が家に伝わる家宝(夢切丸)だ。これからこれを肌身離さず持っているといい。きっとお前を守ってくれるハズだ。お守りとして持っていなさい!」 重和は半信半疑でこの言い伝えを聞いていたが、夢切丸を手にした瞬間に柔らかく暖かい不思議な気配を感じた… 重和はその感覚を信じ、夢切丸を大事に持ち歩いた。
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