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しゅわしゅわ しゅわしゅわ ウィスキーコークが喉を通り、 胃の隅々に行き渡る。 今日も暑い一日だった。 昨日も、 一昨日も。 しかし、今日は一つだけいつもと違っていた。 昼間に幾度と無く見た蜃気楼が、頭を離れない。 街に行き交う人並みの中、 子供と母親達が集う公園の片隅、 信号待ちの交差点の向こう、 至る所にそれは現れた。 おふくろ。 俺の母親は、二年前に他界した。 末期ガン。 気が付いた時には、もう手の付けようがない程に 病状は進行していた。 クソッ、 明日も仕事にならねぇよ。 俺は、いつもより少し苦いその酒を飲みながら、 その日はいつの間にか寝てしまった。
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