桜の木の下で出会うのは素敵なヒロインだけとは限らねぇ!!

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その母の瞳に映った諭吉さんを仙道さんも見抜いたのか、何やら紙を取り出した。 「このくらいを考えているのですが、いかがでしょうか?」 それを見た母は驚き、何度も指でなぞっている。 ようやく書かれているものを理解したのか父に見せはじめた。 それを見た父も母のように指で何度もなぞった。 「なぁ…母さん、可愛い子には旅をさせろっていうよな?」と母を見て言ったあと俺をじっと見た。 「そうね。お父さん、可愛い子には稼がせろって言うものね」 「…………」 いや、言わないと思うぞ……。 「瑞希、行ってらっしゃい」 二人揃って言った。 その二人の瞳にはやっぱり可愛い息子の俺のが映って………いなくて諭吉さんだけが映っていた。
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