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桜が咲き、新しい生活、出会いへの期待をついついさせられる今日この頃。
眩しい日差しを受けながら俺は新しい通学路を歩いていた。
こんな天気のいい日はなにか面白いことでもあるんじゃないか?
そう思っていた俺を神様は裏切らなかった。
俺の目に飛び込んできたのは俺と同じ年ぐらいの女の子。
今、まさに首を吊ろうとしている事以外はあまり面白いところはないだろう。
いや、ごめん、違うわ。
ウケるところか?と聞かれたらそうじゃない!こんな場面で笑うほど、俺は冷酷で血も涙もないやつではないからだ。
何で、こんな天気のいい日に桜の木の下で…
やるならだるまさんが転んだだろ!!
ったく…なんで俺の目の前で…!!
「首吊ってんじゃねぇよ!!」
俺は彼女を抱き抱え言った。
「死ぬなら他でやってくれ」
彼女はぽかんとしている。
周りを見回し、状況を把握したのか表情が明らかに変わっていった。
俺をものすっごい顔で睨み付けている。
「責任とってくれる…?」
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