君は一卵性を超えた二卵性を見たことがあるか?

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朝食のメニューは案外よくあるものだったが、素材がいいのか、料理人の腕が半端じゃないのか起きたばかりの俺の胃袋をビックリさせてくれた。 「美味い、これ誰が作ったんですか?」と聞くと料理を作ったのは仙道さんだった。 凪沙さんの話によると家事全般は仙道さんに任しており、意外にも他に使用人はいないらしい。 会わなかったわけだな。それにしても凄いな。1人で家事全般をこなしてるなんてと尊敬の眼差しで見ていた。 それに気づいた仙道さんは「ホントに可愛らしい方ですね。瑞希くんは。」と俺の背中をぞくっとさせる一言を言った。 どうやらこの家にはまともな人は凪沙さんだけと思った俺だった……が、壁中にある矢印の事を考えればあの矢印はきっとつかさのためでもなければ仙道さんのためでもない。 凪沙さん用なんだろうなと思うとこの家にいるまともな人は俺だけなんだと思わざるを得なかった。
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