第1章『神波朔夜~呪縛~』

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    父様? それに…皆、集まってどうしたんだろう? 「朔夜…貴方に大切な話が、あります…。」 『母様…大切な話とはなんですか?』 「貴方にとって…辛い事を話さなければなりません。」 そう話す、母様の表情が…何だか怖かった。 父様は、一言も発しなかった。 里の皆も、一言も…声を発しなかった。 それが…余計に怖かった 『…母様…辛い事でも、かまいません…お話下さい。』 「……朔夜…貴方も、もう13歳です。 後5年で天明の儀を迎えます。その前に、婿をとらなければなりません………。」 母様の話は…突然過ぎて半分しか、頭に入らなかった。 母様が伝えたい事は…何となくわかるような気がする。 私に、抗う事など…許されぬ事くらいわかってます。 ですが…母様、私はどうすればよいのですか? 『……もう…決まってるのですか?私の相手は?』 「………甲賀の長の、ご子息です。」 『………甲賀の…同じ里の者では…ダメなのですか?』 「甲賀と伊賀の為です…同じ里の者では…いけないのです。」 甲賀と伊賀は…昔からいがみ合ってきた。 その為…神波一族は甲賀の者から、婿をとる。 そうして…甲賀との絆を深めてきた。 父様も…甲賀の者だ。    
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