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甲賀の者は、血の気が多いと聞く…そのご子息も血の気が、多いのだろうか?
優しい方がいい…争いを好まない方ならなおいいのだけど…。
「貴方のお相手の、名は甲賀の金谷一族の弥太郎殿です…弥太郎殿は、甲賀の忍びには珍しく…穏やかで優しい方だとうかがってます。」
『金谷弥太郎(かなや・やたろう)殿…穏やかで優しい方なのですね…。それを聞いて安土いたしました(笑)』
「………朔夜、貴方には申し訳ないと思ってます。ですが…これもすべて伊賀の里の為。」
『……母様、朔夜は伊賀の里の為でしたら、どんな事でもいたします!!』
「朔夜…貴方には、苦労かけます、弥太郎殿との婚儀断るわけにはいかぬのです」
母様…この婚儀、断れば…また甲賀との亀裂が生じる。
だから…断る事はできない!!
これ以上…伊賀と甲賀をこじれさせるわけにはいかぬ。
相手の方は…穏やかで優しい方だと言うし。
いい縁組ではないか!!
私はなにゆえ…気が乗らないのだ?
神波一族に生まれた…私の定めではないか?
それを…なにゆえ、気持ちが晴れぬのだ…?
『………伊賀と甲賀の為に、この婚儀、慎んでお受けいたします。』
「………朔夜。」
近い内に、甲賀から婿殿が参られる。
婿殿と…うまく暮らしていけるだろうか?
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