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「起きたか?朝ご飯出来てるけど食べる?」
雅人が障子を開け笑顔で入って来た。
「うん。着替えてから行くね。」
私はゆっくりと体を起こして答えると、雅人は頷き部屋を出て行った。
洗面所へ行った後、食卓についた。
「由紀子さんよく眠れた?」
お義母さんが朝食を運びながら聞いてきた。
食卓にはご飯、みそ汁、焼き鮭と絵に描いたような朝食が用意されていた。
「はい。ゆっくり休めました。」
私はそう言い朝食を食べた。
朝食を済まし掃除や洗濯を手伝っていると、雅人が私に変な事を聞いてきた。
「由紀子、夕べうなされてたぞ。怖い夢でも見た?」
「え?……うぅん、見てないよ。」
私はあの夢の事を雅人に言うのは悪いと思い隠したが、雅人は更に質問をしてきた。
「そう。でも、ずっと止めてって言ってたし…」
雅人は心配そうな顔で私を見つめていた。私は「何でもないよ」と、笑顔を返した。
この時私は何故か夢の中で起こった出来事に罪悪感を感じていた。
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