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夜になり家族4人でテレビを観ながら談笑していると、それは突然やって来た。
「……ッ!!!」
私はお腹を押さえうずくまった。
「由紀子!どうした!?」
雅人は突然の出来事に慌てていた。
「……お腹が………痛いっ……。」
私は今まで感じた事のない激痛に額から汗を滲ませていた。
「まさか、陣痛?ちょっと早いんじゃない?」
「とにかく産婆さん呼べ!雅人、タオル持って来い!」
お義母さんとお義父さんが慌ただしく動き出し、雅人も言われるがまま動いていた。
「今、産婆さん呼んだから安心して!」
お義母さんが私に声を掛けているみたいだったけど、私は痛みで言っている内容が分からなかった。
陣痛が始まって15分ぐらいしてから産婆さんがやって来た。
「予定より早くないかい?でも、陣痛は始まってるみたいだね。雅人ちゃん!沢山お湯沸かして持って来なっ!それとタオルももっと必要だよ!!」
雅人はそう言われ、あたふたと台所へ向かった。
私はなおも続く陣痛に顔を真っ赤に染め、着ていたシャツは汗でびっしょりと濡れていた。
「由紀子ちゃん!そんなにリキんだら赤ちゃんがしんどいよ。アタシの言うとおりに息をするんだよ。」
痛みで意識が飛びそうな私の頬に手を添え、産婆さんは呼吸法を教えてくれた。
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