~祝い~

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車が見えなくなった後、ポツポツと雨が降り出した。 さっきまで夜空に雲は無かったのに、今は星一つ見えなく曇っていた。 雲は黒く、風も無いのに早く動いていた。それも流れて行くのではなく、この村の上に集まっている様だった。 「由紀子。何してるんだ?早く入らないと風邪引くぞ。」 雲を見つめていた私は雅人の声にハッとして家の中に入った。 「何かあったのか?」 雅人が心配そうに私の顔を覗いた。 私は大丈夫と首を横にふり笑顔を出していた。…でも心の中では何故か不安になっていた。出産を控えた緊張とかではなく、悪い予感だけが私を包んでいた……
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