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「…そうか。それって、俺の他にもたくさん死ぬのか?」
「うん。時間はずらすけどね。」
俺は自分の死を割とあっさり受け入れた。
死にたいわけじゃない。
ただ、生きたくないだけ。
なんだったらいっそ世界のために死んでおくか。
そんな軽い気持ちだった。
「でも一日に一斉に死んだらマズいんじゃねーの?」
「ん、違う違う。今日だけじゃないから。一日、一ヶ月、一年。毎日バラけさせるんだよ。それに、君の死もだいぶ昔から決まっていたんだ。」
それを聞いてもなんとも思わない俺は、普通の人間じゃないのかもしれない。
普通の人間なら、きっと今頃、違う事を思うはずだ。
もっと、生きたい って。
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