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一人になった。
ミナトも心配だが、同じ職場にはあのタケもいる、何かあったらと言っていたのを思い出す。
「…どうするかな」
手持ち無沙汰になり、煙草に火をつけると携帯を取り出した。
アドレスから迷わず、リュウジ、の番号を選んで首を回す。
グキ、と首が鳴って。
『もしもーし』
「久しぶり、昨日ついた」
見てもいないテレビが煩いが、何となく落ち着かない。
『マジ!?マンションの場所わかるから今から来ていいか?』
おぅ、と短く返事をして、リュウジが親父さんも連れてくると言うのを快諾。
後はまつばかり、外はゆっくり、しかし真っ黒に近い闇に染まりゆく。
昨夜の事がナギをまだ不安にさせる、しかしミナトには何も言えなかった。
言いたくない、不確定な事柄で彼女を悪戯に不安にさせたくないのだ。
そうこう考える内に、中学時代の悪友は部屋の前に到着する。
ナギも思考を切り替え、部屋に二人を招き入れた。
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