赤い眼と死体

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久しぶりに会ったリュウジは、今は父親の家業を継ぐべく一緒に仕事をしているのだと言う。 「で、お前は?」 「あのなリュウジ、俺が見事な社会人やれてたら此処にいるか?」 「そうだな…まだ色々あんのかよ?」 いや、と言葉を区切った。 「…どんな仕事をしても、必ず倒れてクビになる」 体に異常がないのは確かだ、それは精神的理由。 リュウジも笑うのをやめて、昔よくしてもらったその父親も顔を引き締める。 「ゆっくり治せよナギ」 そのために此処へ引っ越した、と安心させる為に呟く。 ガシャンッ。 「!?」 弾かれるようにナギは後ろのベランダへ身構えた、突発的に攻撃体制になるのはナギの本能。 「何だ?風も吹いてねぇのに」 リュウジがしかめ面でナギの横を抜け、あっさりとカーテン裏からベランダへと抜け出す。 父親も続いた。 ナギはゆっくり構えをといて、二人に声をかけようとする。
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