安定剤と警察

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「こりゃ…酷いな」 一人がそう呟く、ナギとて何度も見たいとは思わない。 ましてそれは先程まで友人だったモノなのだ。 「首の…傷はどうですか?」 ナギはしかしそう呟く、知りたい事はそれ。 「荒いよ、だが一気にいったみたいな感じだ」 「そうですか…悲鳴も何もなかったので…体もここにはありません」 答えながら、ナギは部屋のクローゼット等をあけてみせる。 「…調べても構いません、ただ…俺が見たのは確かに人間じゃありませんでしたよ」 遺体や状況の異様さはナギの答えを確かに聞こえさせるが、警察という立場がある。 ナギも理解はしていた。 「容疑者扱いでしたら、遠慮なくどうぞ」 きっぱり言い放つ彼に戸惑いながら、三人は顔を見合わせている。 結果、部屋を調べた警察にまた何かあれば連絡するように言われ、残されたのだが。 ナギが部屋にいる事などなかった。
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