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そんな説明なんて途切れ途切れ、私の頭の中でこれまでの生活が音を立てて崩れて行く。
ああ…… 自由よ、さようなら。
私はこれから老人介護に身を捧げ生きて行くの…。
私のダーリン、さようなら、私は中学生のコブ付きの上に 痴呆のババ付きと言うオプション満載の女になりました。
母の病状を心配する前に、自分の生活を第一にした不届きな考えが頭を巡る。
何で、何で、何で、まだ60代じゃん?私だって30代(ギリで)やりたい事もいっぱいあるし、もう一回結婚もしたかったよォォ!!!!
無理じゃん、全部無理じゃん!! ちくしょう! 泣けるぜぇっ!!
壊れた思考回路を必死に組み立て、手に汗握りながら、とりあえず、抗痴呆薬とやらをたんまり処方され、何事かと微笑む母を連れヨロヨロと帰路についた私。
帰り際、白髪の医師は『今はいい薬があるからね、あんまり気を落とさないようにね』 と私の肩をたたいた。
……こうしてアルツハイマー病は我が家にやって来た。
……手土産満載で…。
いらねぇよっ(怒)!
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