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病院の長い廊下と各部屋にワックス掛けをしている時だった。 「まったくもぅ,小此木っちったら!!許可もなく病院を抜け出したら駄目でしょう?」 「だってぇ、今日は7の付く日だったじゃん?スロットで儲けて入院代稼がにゃあ!」 「げっ、またあそこに行ったのぉ?」 看護婦さんと女性の患者さんの会話が耳に入って来た。俺は女が苦手だったもんだから、恐る恐る声を掛けた。 「あのぉ,すいません。この部屋をワックス掛けさせて頂きたいんですけど…」 「おっ!お兄サン頭にタオルなんか巻いちゃって…張り切るマンだね♪ってか細い体に似合わず,ガテン系??」 「………………。」 「掃除屋さん,ごめんなさいネ。この子は退屈しのぎに誰にでも気安く話掛けちゃう人だから…」 「そうなのよぉ,でも殆どの人にスルーされちゃうの。美紀チャンかわいそなのぉ。」 「スルーされるのは、小此木っちがいたずらばっかりするからでしょう?この病院設立以来の問題児だって婦長にも怒られたばっかりじゃん!」 あ、あのぉ…話はまだ続くのかなぁ。俺は時間内に仕事を終わらせたいんだけど。
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