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―2008年5月下旬―
嵩博に話さなかったことがひとつだけある。
「産婦人科医としてはおめでとうございますと述べさせて頂きます。しかしながら坂下さん,今後内科医とよく相談した上でですね……」
「へっ?に、妊娠??つ~か私女の子だったんだぁ。」
「坂下さん?女の子と言うよりあなたの場合は、高齢出産の部類に入りまして。その前にあなたの体は……」
「わかった,わかった。自分の体は自分が一番よくわかってるしィ。でも私は産みますよ?」
祥司…旦那は、やっとお前にも“宝”ができたんだねと泣いてくれた。単純に計算しても自分の子ではないのに。そんなことはどうでもいいみたいな口調で。リスクの大きさも踏まえて,お前の考える通りにしろと。
嵩博…もしも女の子ができたなら“命”と書いてメイって名前、貰ってもよいかなぁ。
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