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どこからか声がした。
「?誰?」
呼び掛けてみるが、声は聞こえない。
……いや、シャインが耳をすますと、少し離れた方のスクラップの中から、声がするのを突き止めた。
「…………けてくれ~…」
シャインは急いで、しかし転ばないように声のするほうへ歩いた。
「大丈夫?」
その場でしゃがみ、スクラップの中に声をかける。
「おお、俺の声が聞こえるのか。ならちょうどいい。早いとこ俺を掘り起こしてくれ」
「私、右腕ないんだけど……」
「大丈夫。俺は片手でも持てるから」
「分かった。ちょっと待ってて」
そして今度は片膝立ちになり、声のしたところのスクラップを退かし始めた。
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