いつかのお話

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彼女の名は●●●といった。 しかし、彼女ですらその名前は忘れてしまったのだから、その音の羅列に意味はもうない。 彼女は周りからしぃと呼ばれていた。 しぃとはどこか遠い国の言葉で「可哀想」という意味であった。がしかし、しぃは幸せ者だった。 殺人鬼に目の前で両親を殺され、独りきりになったとしても彼女は幸せ者だった。
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