2 ガイアの王

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宇宙に浮かぶ海の器(うつわ) それが、エデムス。   その海にただ一つだけ存在する巨大な大陸が、ガイア。     ガイアにはペキラホンヅ王国などの複数の国家が在るが、この西端のゲルモニウス帝国だけが皇帝の独裁政治が執行されている。     無論平和を好むガイアの民は我慢できずに、亡命する者や反乱を起こす者達が後を経たなかった。     数年前も、ガイアの王ジアースがゲルモニウス皇帝ベントラーに警告をしに来た。     ジアースはライオンの顔を持つ獣人で、黄金に輝くたてがみを乱しながら怒った。     皇帝ベントラーはその時だけはへりくだり、無闇に戦争を起こさない事を誓ったが、いつの日にかガイア全域を支配しようと企んでいた。       ある日の事。   ベントラーの命令で、ゲルモニウスの海岸に泳ぎの優秀なイルカが5頭集められた。     「良いか?まず4頭は、東西南北に分かれてガイア以外の大陸が存在しないか調査しろ。エデムスの滝まで見に行くんだぞ。」     『エ………エデムスの滝までですか!!!?……恐いなぁ……。』     エデムスの最も外側は、海の水が滝となり宇宙へと流れ落ちている。     そこから落ちた物は、存在を消滅して宇宙に浮かぶ星になってしまうのだ。  
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