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ヤンクムは今年で19歳になる人間の男性だ。
彼は2年前に、川で溺れている犬を助けた。
犬はヤンクムに大変感謝し、彼の事を実の兄の様に慕った。
ヤンクムは犬に名前が無かったので、【タイソム】と命名した。
『タイソム!!!……なんて素敵で強そうな名前だろう。ありがとうヤンクム。』
タイソムと名付けられた犬は、大層喜んだ。
その時は………。
2年の歳月は一人と一匹の関係を変えた。
犬の体長は180cmを超え、ヤンクムよりも大きくなった。
それと共に態度も大きくなった。
『ヤンクム!!!この間言っておいた斧はまだなのか!!?』
「タ…タイソム……斧なんて何に使うんだよ?薪割り用のなら家にあるじゃないか……。」
『アレじゃあ小さいんだよ。まったく使えない奴だな、お前の頭をかち割ろうか?』
タイソムはやたらと、凶器と成りうる物を収集した。
このペキラホンヅ王国では、王宮に仕える兵士が使う為の剣や槍などの武器が露店で売られている。
タイソムは近所の大工や漁師の仕事を手伝い、金を稼いでそういった武器を買い集めた。
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