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年若い亀ブレビンが長に訴え出た。
『長老、このまま奴らを置いておけば我々の食糧は底をついてしまいます。』
『確かに……しかしウサギ達は素早く、ワシらよりも賢い。
…何か名案は無いものか…。』
数時間話し合った結果、若いブレビンと4匹の亀がプリチッピー川を登り、樹海に住む魔女に相談する事になった。
『くれぐれも気をつけて行くのじゃ。
…最近、樹海の東のペキラホンヅ王国で人間と犬が争いを起こしているそうだ。』
『わかりました。
ペキラホンヅには近づかぬよう、プリチッピー川に沿って樹海を目指します。』
こうしてブレビン達は旅立ったのだが、小さなボルボンドーラ族には厳しい道のりとなった。
一匹はハゲワシに食われ、一匹は氾濫したプリチッピー川に流されて命を落とした。
残されたブレビンと2匹の亀が、ペキラホンヅ周辺にたどり着いたのは出発してから20日目の明朝だった。
ふと見ると、ペキラホンヅの方向から数人の兵隊らしき人間達と、身分の高そうな男が歩いて来るではないか。
『おい、そこの草むらに隠れるぞ!!!』
慌てて、ブレビン達は草むらに身を隠した。
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