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様子をうかがっていると、人間達は何やら大きな鍋や食器を川の水で洗い始めた。
《何をしているんだろう…?
ん?……いい匂いがする!!》
旅を始めてからというもの、ろくな食べ物にありついていなかったブレビン達は、鍋から流れる美味しそうな匂いに誘われ川へと飛び込んだ。
『おいしい!!
イモやエビが流れて来るぞ!!』
人間から見れば小さな欠片でも、小さなボルボンドーラから見れば立派な食糧となった。
ブレビン達は夢中になって流れてくる物を食べ、人間達は小さな亀などには気がつきもしないのであった。
食器を洗い終わった人間達は不思議な事に、ペキラホンヅには帰らず大きな壺を持って樹海の方向へと歩きだした。
『人間に気づかれない様に、彼らが見えなくなってから俺達は行こう。』
少し休むつもりだったのだが、満腹になったブレビンと2匹の亀はその場で眠ってしまった。
樹海に向かった人間は、ペキラホンヅの王プモンナズと護衛兵。
そしてプリチッピー川で洗った鍋や食器の中には、魔女スルーメデからもらい受けた秘薬と、ヤンクムという青年の作ったベボッチャスープが混ざった物の残りが入っていた。
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