3 ウサギと亀の争い

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  魔女の秘薬の名前は【進化と退化】というものだった。     強き者を弱くし、 弱き者を強くする。   賢き者を愚鈍にし、 愚かな者を賢くする。     つまり、生命の均衡を保つ為にスルーメデが作った薬なのだ。     人間の王プモンナズにも、誤って自分が飲んだり、悪用したりしてはならないと注意したのもその為だった。       泥の様に眠りこけた後、ブレビン達ボルボンドーラがどうなったか、お分かりであろうか?     身の丈は5メートルを超える、巨大で獰猛な姿に変わり果てたのだ。     中でも一番多くスープの残りを食べたブレビンは、山のように巨大になり悪魔か神の様相であった。     巨大亀達は、ウサギが入り浸る我が集落へと向かった。     【進化と退化】は都合良くは出来ていない。     力が強く巨大になったブレビンの、俊敏さと知能は変わらなかったのだ。     ゆっくりと木々を打ち倒しながら、3頭の怪物は歩いて行くのだった。       帰る時は歩幅が違うので、10日ほどしかかからなかった。     その姿を見たウサギ達はおろか、仲間の亀達もひどく驚き恐れた。    『ブレビン……!!!そ…それは魔女がかけた魔法なのか!!?』  
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