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魔女の秘薬の名前は【進化と退化】というものだった。
強き者を弱くし、
弱き者を強くする。
賢き者を愚鈍にし、
愚かな者を賢くする。
つまり、生命の均衡を保つ為にスルーメデが作った薬なのだ。
人間の王プモンナズにも、誤って自分が飲んだり、悪用したりしてはならないと注意したのもその為だった。
泥の様に眠りこけた後、ブレビン達ボルボンドーラがどうなったか、お分かりであろうか?
身の丈は5メートルを超える、巨大で獰猛な姿に変わり果てたのだ。
中でも一番多くスープの残りを食べたブレビンは、山のように巨大になり悪魔か神の様相であった。
巨大亀達は、ウサギが入り浸る我が集落へと向かった。
【進化と退化】は都合良くは出来ていない。
力が強く巨大になったブレビンの、俊敏さと知能は変わらなかったのだ。
ゆっくりと木々を打ち倒しながら、3頭の怪物は歩いて行くのだった。
帰る時は歩幅が違うので、10日ほどしかかからなかった。
その姿を見たウサギ達はおろか、仲間の亀達もひどく驚き恐れた。
『ブレビン……!!!そ…それは魔女がかけた魔法なのか!!?』
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