4 鷹の眼差し

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  「まずムーノは吹雪の能力を使うのだ。 大抵の動物はその寒さで、行動を休めるだろう。」     『……つまり、不穏な存在を一時的に食い止めると?』     「その通りだ。 それに、ジアースと貴女もガイアの敵の正体を知らなければいけない…。」     『スルーメデは知っているのですか!!?』     「……ああ。……残念な事に、私の作り出した秘薬【進化と退化】がもたらした、悲運なイタズラだという事がわかった……。」     そう言うと、魔女は泉の中から小さく細長い瓶を取り出した。     「間に合うと良いのだが……。 この薬は、私の力を無効化するものだ。 ムーノとジアースが協力して怪物となったボルボンドーラに使うのだ。」     『失敗したら……!!?』     「失敗したら……その時は、ガイアはおろかエデムスに至るまで破滅が訪れるかもしれない。」     『…………。 …わかりました。私達ができる限りの力を尽くしましょう。 一刻も早くジアースにこの事を伝えなければ……。 吹雪を呼び冬を訪れさせた後、ジアースと相談します。』     魔女は悲しそうな目で監視役ムーノを見つめた。    
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