389人が本棚に入れています
本棚に追加
/621ページ
…忌ま忌ましい授業が終わった。
「おいエージ~。何やってんのお前。いきなり目つけられてんじゃん。」
といつもの軽いノリで話しかけてきたのは敦志だ。
「…!てめーが呼んでんのに気付かねぇからだろハゲ!」
「あ?俺を?何で……あっ!!」
急にデケェ声張り上げると敦志はドアの方へ駆け出した。
「な、オイ!敦志!」
「急げエージ!空き時間中にチケットばらまかねーと!」
「あっ!やべぇ!忘れてた!」
俺達のバンドのチケット。
数週間後にライブをやる事になっていた。
俺はバッグを引ったくって敦志の後を追いかけてった。
あのノートを机の中に入れたまんまなのを忘れて――。
最初のコメントを投稿しよう!