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続いて聞こえてきたのは、少しほっとしたような運転手の罵り。
……よかった。
飛び出したあの子の腕を、寸でのところで捕まえて、後ろに引き戻したのだ。
思いっきり尻餅ついたけど、怪我はないみたい。
「……なんで飛び出したりしたのッ!危ないでしょっ!」
思わず怒鳴る。
嫌われるんじゃないかなんてこれっぽっちも思わなかった。
わあわあ泣きながら私にしがみつくあの子を抱き締めて、優しく頭を撫でた。
今度は手を繋いで歩く。
幼稚園どうだったの。
お夕飯はなにがいいかな。
そんな事を話しながら。
久し振りに、あの子の笑顔を見た。
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