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女の子は今も冷たい土の中で一人、体を丸めて眠っています。
ずっと、ずっと。
女の子は美しい声を持つ神様の鳥を飼っていました。
そのうち女の子は鳥籠に入った鳥の事を可哀想に思うようになりました。
そしてある日、ついに女の子は鳥を鳥籠から放してしまいます。
鳥は羽根をぎこちなく動かして空を飛び始めましたが、鳥は空にすうっと溶けていってしまいました。
女の子は驚いて泣き始めてしまいました。
女の子が泣いていると神様の声が聞こえてきて女の子に『どうして鳥籠から鳥を放したんだ?』と問いました。
女の子は狭い鳥籠の中に暮らしている鳥が可哀想だったという事を泣きじゃくりながら一生懸命説明します。
神様は言いました、『あの鳥は鳥籠の中でなければ生きていけなかった、お前には鳥を放してしまった罰を与えなければならない』と。
そしてこう続けました、『本当はお前を殺さなければならないのだが、それはあまりにも忍びない。だから土の中で永遠に眠り続けてくれ。』
女の子は気付いたらもう土の中にいました。
眠りにつく時にあの鳥の美しい鳴き声が聞こえた気がして涙を流して眠りにつきました。
きっと女の子の涙はもう乾いて、鳥の夢を見ながら今も眠り続けている事でしょう。
もう女の子の事を覚えている人は誰もいません。
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