番外編、その2

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その人は、ある日突然亡くなった。 僕にはそれが信じられなかった。 暖かな日だ。葬儀が行われている。 遺影を見て、その人が本当に亡くなったことをようやく理解した。 ((何も感じなかったし、何も思わなかった。)) でも次の日になって初めて、その人の温かさを二度と感じることができないと知り、 それに対する“淋しさ”そして“深い悲しみ”でいっぱいになり、なんともいえない気持ちになった。 そのとき、 目の前が真っ白になった。 その中に独りだけ、他に誰もいない。 そんなことを考えたら涙がこぼれた。 人が死ぬってこういうことなんだと知ったとき、 目が覚めた。 ・・・夢だったのだ。 ただ、その夢があまりにもリアル過ぎて、 起き上がった僕は座ったまましばらく動けなかった。
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