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夜の闇
景色も音もその中へ吸い込まれてしまう
私の姿も消える
発する声さえ飲み込んでゆく
そうなると少し不安になる
何も見えずただただ広がるこの深い闇
きっと未来もこんなものなのだろう
―考えると不安になり想像しようにもはっきりと映らない―
この闇とおんなじ
けれども不安さえ抱かなければ暗闇はあたたかい
案外やさしく包んでくれる
それによけいなものを見ずにすむ
これはこれでよいのだが
私にだって見たいものはある
それにこの暗闇はいつまでも続くわけじゃない
日が昇れば光がさし
消えてしまう
私は観念してよけいなものを見ながら
今日を過ごすのである
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